税務お役立ち情報

障がい者の税

障害者には各種の控除がありますが、そもそも障害者控除などの対象となる障害者とは、次に掲げるような心身に障害のある人です。

 

イ)身体障害者手帳に身体障害者として記載されている人(1級または2級と記載されている人は特別障害者)
ロ)精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人(1級の人は特別障害者)
ハ)精神保健指定医などにより知的障害者と判定された人(障害の程度がAの人は特別障害者)
ニ)精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある人(特別障害者)
ホ)いつも病床についていて、複雑な介護を受けなければならない人(特別障害者)
ヘ)精神または身体に障害のある65歳以上の人で、その障害の程度がイ、ハ又はニに掲げる人に準ずるものとして市町村長や福祉事務所長の認定を受けている人(特別障害者となる人に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている人は特別障害者)

 

納税者本人が障害者である場合の措置

・本人が障害者であるときは、障害者控除27万円(特別障害者は40万円)が所得金額から差し引かれます。
・相続税では、相続人が85歳未満の障害者に該当する場合は、85歳に達するまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)が障害者控除として、相続税額から差し引かれます。
・贈与税では、特定障害者の生活費に充てるために、一定の信託契約に基づいて特定障害者を受益者とする財産の信託があったときは、その信託受益権の価格のうち、特別障害者については6,000万円まで、特別障害者以外の特定障害者については3,000万円まで贈与税がかかりません。(特定障害者とは、特別障害者及び障害者のうち精神に障害のある人)
・預貯金利子では、身体障害者手帳等の交付を受けている人が受取る一定の預貯金等の利子等については、一定の手続きを要件に非課税の適用を受けることができます。
・住民税では、障害者控除26万円(特別障害者は30万円)が所得金額から差し引かれます。
・事業税では、身体障害者手帳の交付を受けている人は、申請により個人事業税が減免されます。
・自動車税、自動車取得税では、身体障害者、知的障害者及び精神障害者のために専ら使用する自動車で、都道府県の定める基準に該当する場合には申請により自動車税、自動車取得税が減免となります。

 

障がい者の年金・給付金・手当等

障害年金

障害年金とは、病気やケガが原因で精神や身体に障害を持つ人で、仕事や日常生活で支障のある人に年金や一時金を支給する制度です。
受給の条件は、障害認定基準を上回る障害状態であること。保険料を一定以上未納していないこと。(20歳未満の人や65歳以上の人は原則として、障害年金を請求できません。)

 

・障害基礎年金
国民年金に加入している間に初診日のある病気やケガで、障害等級表(1級、2級)による障害の状態にある間は障害基礎年金が支給されます。

 

・障害厚生年金
厚生年金に加入している間に初診日のある病気やケガで障害基礎年金の1級又は2級に該当する障害の状態になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。

 

障害者補償給付・障害給付

業務または通勤による疾病や負傷が治ったときに、身体に一定の障害が残った人に、労災から障害補償給付(業務災害の場合)または障害給付(通勤災害の場合)が支給されます。

 

各種障害者手当

・特別障害者手当
・障害児福祉手当
・在宅重度障害者手当
・特別児童扶養手当
・児童扶養手当
・遺児手当
詳しくは、市町村役場にお問い合わせください。

 

障害者の割引優遇

施設入場料の割引

全国のいろいろな施設では、入場料の障害者割引制度が多くあります。施設によっては障害者本人だけでなく、介護者1名も無料や値引きをしてくれるところもあります。障害者手帳の提示をして優遇を受けましょう。

有料道路通行料の割引

有料道路では、障害者自らが運転する場合、または重度の身体障害者もしくは重度の知的障害者の人が同乗し、障害者本人以外の人が運転する場合に、障害者割引を受けることができます。ですので重度の障害ではない人の介護者が本人を乗せて運転した場合は対象外となります。
なお、割引を受けるには、事前に自動車の登録が必要です。(障害者1人につき自動車1台のみ)障害者が乗っているというだけで割引を受けられるということではありません。

 

郵便料の割引

点字郵便物、特定録音物等郵便物の郵便料金が3㎏まで無料になります。点字ゆうパック(大きさに制限あり)、心身障害者用ゆうメール、聴覚障害者用ゆうパックについても、割引された料金になります。

 

電車・バス等公共交通機関の割引

電車やバスなどの公共交通機関では、「身体障害者手帳」または「療育手帳」を持っている人に割引料金を設定しているところがあります。
障害の程度や本人単独の場合と介護者同伴の場合とで割引の内容が違いますのでそれぞれの機関に確認してください。

 

障害者にはいろいろと優遇制度がありますので、障害者の対象となりそうな人は、まず認定を受けて、制度を活用しましょう。

 


・2018年10月2日 公開


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