税務お役立ち情報

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは、自治体に寄附した金額の一定額について所得税、住民税の控除を受けることが出来る制度ですが、自治体毎に食料品などの返礼品を貰えることから、かなり有名になった制度です。

 

各自治体ごとの競争が激しくなってしまったため、還元率(寄附金に対する返礼品金額の目安)を3割以下におさえたり返礼品自体をやめてしまった自治体もありますが、それでも寄附金額を自身の収入に対する控除上限額以内に収めれば実質返礼品が2,000円程度で入手できることから現在でも利用している方が多い印象です。

ざっくりなイメージとして『50,000円の寄付をしたら所得税、住民税が48,000円程安くなって15,000円程の返礼品を貰えた』という感じです。

 

控除上限額

実質2,000円程度の自己負担で返礼品を入手するためには自身の所得に見合った寄附を行う必要があります。
所得税率の関係で所得が多い人ほど下記の計算式により上限額が増加します。

 

(住民税所得割額×20%)÷(90%-所得税率)+2千円

計算式自体は上記の通りですが、『ふるさと納税 計算』等で検索をすれば現在は色々なサイトで計算を行えます。またそれらのサイトには各自治体の返礼品が金額や品目ごとに画像付きで紹介されていることも多いので是非参考にされてみてはと思います。

 

手続の流れ

①寄附申込み

電話やFAX、メール、直接窓口で申し込むなど、自治体によって方法は様々ですが、現在は多くの自治体でインターネット申込も受け付けています。

 

②寄附金の支払

上記申込後にその自治体から振込用の納付書など納税に必要な書類が届きます。
納付書で直接窓口や金融機関で支払う、指定口座にインターネットバンキング等で支払うなどがありますが、現在はクレジットカード決済を行える自治体も増えています。

 

③寄附金証明書、返礼品等の受領

寄附金支払後、自治体から寄附金証明書、返礼品が届きます。
この『寄附金証明書』が確定申告をする際に必要となりますので無くさないように注意が必要です。

 

④確定申告

上記③の寄附金について、必要事項を記載し上記③の寄附金証明書を添付した確定申告書を提出する必要があります。
なお、所得税の還付については所得税確定申告書に記載した金融機関にされますが、住民税の還付(減額)についてはその年の5月頃に送付される住民税の納付書から減額される形となります。

 

確定申告が必要無いワンストップ特例

確定申告を行わなければ基本的に税金の控除を受けることが出来ないふるさと納税制度ですが、年末調整によりその年の確定申告をする必要が無い方等については『ワンストップ特例』制度があります。

 

大まかに言いますと確定申告をしなくても寄附先の自治体に申請書等を提出するなど一定要件を満たせば所得税分も含めて翌年の住民税から税額控除をしてもらえる制度になります。

 

1.摘要要件

①寄附を行った年の所得について確定申告をする必要がないこと。

 

年末調整で所得計算が完了している会社員の方などです。なお、年末調整で控除を受けるわけではありませんので勤務先に提出する書類等はありません。

また、確定申告をする必要が無くても医療費控除等を受けるために確定申告(還付申告)を行う方についてはワンストップ特例を受けることが出来ません。

 

②1年間のふるさと納税先自治体が5つまでの人

自治体数が5か所以内であれば同じ自治体に複数回寄附を行ってもワンストップ特例を受けることが出来ます。

 

③ふるさと納税先にワンストップ特例制度の申請用紙を本人確認書類と一緒に送付すること。

寄附を行った年の翌年1月10日(必着)が期限となります。なお、同じ自治体に複数回寄附した場合寄附毎の申請書提出が必要ですが、本人確認書類については一度の送付で対応可能な自治体もあるので事前に各自治体に確認されることをお勧めします。

 

2.ワンストップ特例の要件を満たせなかった場合その他の注意点

たとえば5つの自治体に寄附したつもりが6つの自治体だったときなど、上記要件を満たせなかった場合にも確定申告を行えば税金の控除を受けることが出来ます。

 

よくある勘違いとして、5か所の自治体に特例制度の申請用紙を提出しており1か所だけ超えてしまったため1か所分だけ確定申告で申告すれば良いのでは…ということがありますが、確定申告をした段階でワンストップ特例制度は受けられなくなりますので、6カ所分の申告をしなければ税金の控除を受けられないこととなります。

 

また、基本的にふるさと納税と同じ金額の税金の控除を受けることが出来ますが、ふるさと納税額が控除上限額ギリギリの場合など所得税分を住民税から引ききれないケースもありえるので注意が必要です。
(試算した控除上限額よりも少なめの寄附を行っており寄附先も少ないのであれば、ワンストップ特例を選択した方が手間はかからないと思います)

 

欲しいと思ったマッサージ機がふるさと納税の返礼品として紹介されていたことから、私自身も検討してみようと思い今回の記事を書かせて頂きました。

 

現在では色々な紹介サイトがあり制度の概要や各自治体の返礼品もわかりやすく紹介されていますので、まだふるさと納税をされたことが無い方についても是非検討をされてみてはいかがでしょうか。

 

ITの普及と申告方法

 

すでにご存知の方も多いかもしれませんが平成31年1月から国税庁の「確定申告書等作成コーナー」がスマホ対応になります。

そしてそこで作成したデータをマイナンバーカード方式若しくはIDパスワード方式により電子申告ができるようになります。

 

マイナンバーカード方式は残念ながらパソコンからしか使えないそうですがIDパスワード方式はスマホからでも申告ができます。

ただし、こちらも残念な事に一度免許書等の本人確認書類を税務署まで持参してIDを税務署で発行してもらわないといけないようです。

証券会社等でも口座を作るのに本人確認書類はスマホで撮った写真をアップロードするだけでOKなのにわざわざ行って税務署の職員が確認しなければいけないというのは少々残念です。

 

さらにIDパスワード方式はマイナンバーカードとカードリーダライタが普及するまでの暫定的な措置だそうなのでいずれは消えて無くなる方式との事です。

今のマイナンバーカードの普及状況を見れば恒久的措置のような気もしますが。。。

 

現段階ではスマホで申告書を作成できるのも年末調整済みで医療費控除か寄付金控除(ふるさと納税)を

する方くらいなので今後の開発に期待大です。

いずれは源泉徴収票や生命保険の控除証明等書面添付が必要であったものはそのデータを読み込ませればAIが自動で申告書を作成できるところまで進歩してくれる事を期待しています。

ふるさと納税を多くする方等は受領書はすべてデータでもらえるようになると申告する際の手間が随分と省ける事になりますよね。

不便と感じている間はまだまだ進歩できる可能性があるという事なのでとても良い事だと思います。

不便で無くなる事は良い事ですが不便さが無くなる事は良くない事なのかもしれません。

株で損をした・・・
悔しいけれど、その損失は申告しましょう!

上場株式等の譲渡損失の繰越控除について

上場株式等に係る譲渡損失額がある場合には、その損失を確定申告すると、一定の要件のもとでその譲渡損失額をその確定申告をした年の翌年以後3年以内の各年分の株式等に係る譲渡所得等及び上場株式等に係る配当所得から控除することができます(措法37条の12の2第1項及び6項参照)。

 

上場株式等の譲渡は分離課税ですので、その損失額は事業所得や給与所得と損益通算することはできませんが、向こう3年の株式等の譲渡所得及び上場株式等の配当所得にはぶつけることができます。
そのためには、その損失額があることを確定申告する必要があります。

 

しかし、特に源泉徴収選択特定口座を設定されている方が、この手続きを失念されているケースが屡々見受けられます。
上記特定口座は基本的に申告不要で課税関係が完結しますが、損失を繰り越すことまでは致しません。

 

また、この譲渡損失額は、確定申告をした年の翌年以後3年間に亘って繰り越すことができますが、これには連続して譲渡損失を繰り越す申告を行う必要があります。
これらの点に留意して頂きたいものです。

 

過去の上場株式等の譲渡損失額を遡って申告できる?

上場株式等に係る譲渡損失があったにもかかわらず、その損失額の申告を行っていなかった場合、期限後申告や更正の請求で対処できるのでしょうか。

 

その問題について、下記のパターンで考えてみます。

 

(1)サラリーマンなので年末調整で完結、毎年確定申告には行っていない。
★「一般口座」又は「源泉徴収選択特定口座を設定していない」場合
期限後申告を行います。そうすれば、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
の適用を受けることができます。

 

★源泉徴収選択特定口座を設定している場合
上記と同様です。期限後申告を行います。

 

(2)確定申告はしたが、株の譲渡損失を書くのを忘れた。
★「一般口座又」は「源泉徴収選択特定口座を設定していない」場合
更正の請求を行います。そうすれば、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
の適用を受けることができます。

 

★源泉徴収選択特定口座を設定している場合
更正の請求はできません。この設定をしている場合、基本的に申告不要で
課税関係が完結しますので、申告の有無は納税の選択に委ねられます。
よって、、確定申告に記載しなかったということは、「申告しない」という
ことを選択したとみなされるため、更正の請求が不可能となります。
株の取引においては、源泉徴収選択特定口座を設定されている方が多数と
思われますので、この点には十分にご留意下さい。

 

更に留意すべきは、ある年度の確定申告で株の譲渡損失額を申告したものの、次年度の確定申告で譲渡損失の繰り越しの申告を失念した場合です。

このケースだと、「連続して譲渡損失を繰り越す申告」をしていないことになりますので、繰越控除は受けられません。

そして、更正の請求も認められません。

 

 

断熱工事で所得税から控除

居住用家屋について一般断熱工事を行った場合、一定の要件を満たせば一定の金額をその年分の所得税から控除できます。

 

制度の概要

省エネ改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除とは、個人が所有している居住用家屋について、一般断熱改修工事等(以下「一般省エネ改修工事」といいます。)を行った場合において、当該家屋を平成21年4月1日から平成33年12月31日までの間に、その者の居住の用に供したときに、一定の要件の下で、一定の金額をその年分の所得税額から控除するものです。

 

※平成29年4月1日以後に居住の用に供した場合に、
その年の前年以前3年内の各年分において一般省エネ改修工事に係るこの税額控除を適用したときは、原則として、当該年分において適用することはできません。

 

控除される税額

平成26年4月1日から平成33年12月31日までの間に居住の用に供した場合住宅特定改修特別税額控除の控除額は、一般省エネ改修工事の標準的な費用の額
(250万円(太陽光発電設備設置工事が含まれる場合は350万円)を限度)の10%です。

※一般省エネ改修工事を含む改修工事の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。

 

断熱工事の適用要件

住宅特定改修特別税額控除の適用を受けることができるのは、次の全ての要件を満たすときです。

 

(1)自己が所有する家屋について、一般省エネ改修工事をして、平成21年4月1日から
平成33年12月31日までの間に自己の居住の用に供していること。

 

(2)一般省エネ改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること。

 

(3)この税額控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。

 

(4)次に掲げる省エネ改修工事(一般省エネ改修工事)であること。
イ 全ての居室の全ての窓の改修工事、又はその工事と併せて行う床の断熱工事、
天井の断熱工事若しくは壁の断熱工事で、その改修部位の省エネ性能が
いずれも平成28年基準以上となる工事

 

ロ 居室の窓の改修工事、又はその工事と併せて行う床の断熱工事、天井の断熱工事
若しくは壁の断熱工事で、その改修部位の省エネ性能がいずれも平成28年基準以上となり、
また、改修後の住宅全体の断熱等性能等級が現状から一段階以上上がり、
改修後の住宅全体の省エネ性能が断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級3となる工事

 

ハ イ又はロの工事が行われる構造又は設備と一体となって効用を果たす設備
(平成26年4月1日以後に居住の用に供する場合については、太陽熱利用冷温熱装置などのエネルギー使用合理化設備に限ります。)の取替え又は取付けに係る工事

 

ニ イ又はロの工事と併せて行う当該家屋と一体となって効用を果たす一定の太陽光発電装置
などの設備の取替え又は取付けに係る工事

 

(5)一般省エネ改修工事に係る標準的な費用の額が50万円を超えるものであること。
※補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。

 

(6)工事をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が
専ら自己の居住の用に供するものであること。

 

(7)その工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。

 

断熱工事所得控除の手続き

住宅特定改修特別税額控除の適用を受けるためには、必要事項を記載した確定申告書に、次に掲げる書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

 

(1)住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書

 

(2)増改築等工事証明書

 

(3)家屋の登記事項証明書など家屋の床面積が50平方メートル以上であることを明らかにする書類

 

(4)給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票

 

※一般省エネ改修工事を含む改修工事の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、補助金等の額を証する書類も添付してください。

平成29年1月1日から医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制が創設されています。確定申告へ向けて制度の内容についてご紹介させていただきます。

 

医療費控除とは? セルフメディケーション税制とは?

 

医療費控除とは、納税者本人や生計を一にする配偶者、その他の親族のために医療費を支払った場合、一定の金額の所得控除を受けることができるものです。
確定申告をすることで受けられる控除の中でも有名なので、医療費控除という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

 

もう一方のセルフメディケーション税制とは、健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組(※1)を行っている方が、納税者本人や生計を一にする配偶者、その他の親族のために特定一般用医薬品等購入費(※2)を支払った場合、一定の金額の所得控除を受けることができるものです。

 

(※1)一定の取組とは、具体的には次の取組です。

1 保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査
(人間ドック、各種健(検)診等)

2 市区町村が健康増進事業として行う健康診査
(生活保護受給者等を対象とする健康診査)

3 予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種)

4 勤務先で実施する定期健康診断(事業主検診)

5 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導

6 市町村が健康増進事業として実施するがん検診

 

なお、申告される方が「一定の取組」を行っていることが要件とされているため、申告される方が取組を行っていない場合は、控除を受けることはできません。

 

(※2)特定一般用医薬品等購入費とは、医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)から、ドラッグストアで購入できるOTC医薬品(オーバー・ザ・カウンター・ドラッグの略)に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)の購入費をいいます。

 

それでは次に、医療費控除とセルフメディケーション税制の適用対象についてご紹介致します。

 

医療費控除とセルフメディケーション税制の適用対象

 

医療費控除もセルフメディケーション税制も医療に関する所得控除のため、適用対象について勘違いしやすい点があります。
では、具体的にその適用対象についてみてみましょう。

 

医療費控除の適用対象

医療費控除の対象となる医療費は次のとおりであり、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。

 

1 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価
健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。

2 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価
風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。

3 病院、診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価

4 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。

5 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価家政婦さんに病人の付添いを頼んだ場合の療養上の世話に対する対価も含まれますが、所定の料金以外の心付けなどは除かれます。
また、家族や親類縁者に付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象となる医療費になりません。

6 助産師による分べんの介助の対価

7 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価

8 介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額

 

セルフメディケーション税制の適用対象

セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入費とは、次の医薬品である一般用医薬品等(新医薬品に該当するもの及び人の身体に直接使用されることのないものを除きます。)のうち、医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高いものとして厚生労働大臣が財務大臣と協議して定めるものの購入の対価をいいます。

 

1 その製造販売の承認の申請に際して既に承認を与えられている医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が明らかに異なる医薬品

2 その製造販売の承認の申請に際して上記1の医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められる医薬品

 

上記のように規定されておりますが、具体的にどの医薬品が対象となるかイメージすることが難しいと思いますので、セルフメディケーション税制の対象とされるスイッチOTC薬の具体的な品目一覧は、厚生労働省ホームページに掲載の「対象品目一覧」をご覧ください。

 

なお、一部の対象医薬品については、その医薬品のパッケージにセルフメディケーション税制の対象である旨を示す識別マークが掲載されています。

 

医療費控除、セルフメディケーション税制の適用を受ける際の注意点

 

医療費控除とセルフメディケーション税制の概要、適用対象についてご紹介してきましたが、次は確定申告する際に注意しておきたいことについてみてみましょう。

 

従来の医療費控除では、年間の医療費合計金額が足切額の10万円(※3)を超えていないと所得控除を受けられないため、ドラッグストア等で購入した医薬品のレシートを保管せず、諦めていた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

そのような方でも所得控除を受けることができるようになった制度が、医療費控除の特例として新設されたセルフメディケーション税制です。セルフメディケーション税制では、健康診断や予防接種等の健康の維持増進や予防への取組を行っている方が、ドラッグストアで特定一般用医薬品を購入して療養した場合、その年間の購入金額が1万2千円を超えるときは、その超えた金額(上限は8万8千円)を所得控除することができます。

(※3)10万円と総所得金額の5%相当額のいずれか低い方の金額。

 

ただし、セルフメディケーション税制の適用を受けることを選択した納税者は、従来の医療費控除を受けることはできず、従来の医療費控除を受けることを選択した納税者はセルフメディケーション税制の適用を受けることはできません。
つまり、セルフメディケーション税制と医療費控除は、どちらか一方しか受けることができないので、確定申告する際は注意が必要です。

 

セルフメディケーション税制の適用を受けることを選択して確定申告書を提出した場合において、後日、納税者が更正の請求や修正申告を行うこととなったときは、セルフメディケーション税制から従来の医療費控除へ適用を変更することはできません。
従来の医療費控除を受けることを選択した場合も同様です。

 

このように、従来の医療費控除を受けられなかった方でもセルフメディケーション税制によって所得控除をすることができる可能性がありますので、ドラッグストア等で購入したレシートは大切に保管されることをお勧めします。

 

地方税の納付について

 

国税においては、納付書による納付以外にも様々な納付方法がありますが、事業税や住民税などの地方税の納付方法はまだそこまでありません。

 

「クレジットカードによる納付」

地方公共団体によっては、クレジットカードによる納付にも対応しているところがありますが、税金の種類が限られます。

 

東京都は、クレジットカードによる納付に対応していますが、自動車税、固定資産税、個人事業税等の賦課課税方式による一部に限られており、法人事業税や法人住民税などの申告納税方式によるものは対応されていません。

 

「インターネットバンキングやATMを利用してペイジー納付する方法(電子納税)」

・法人事業税や法人住民税なども、ペイジー納付(電子納税)が可能です。
※電子申告は対応していても、電子納税は対応していない地方公共団体は多数あります。道府県や政令指定都市であっても対応していない地方公共団体がありますので、事前に確認が必要です。

 

・電子申告をした申告データをもとに、「PCdesk」などのeLTAX対応ソフトにより「納付情報発行依頼」を送信します。
その後、ポータルセンターから発行された納付情報をeLTAXで受け取り、その納付情報をもとに、ペイジーを通じて、インターネットバンキングやATMから納付します。

 

国税においては、便利な納税方法が増えてきましたが、地方税においてはまだ同様の整備がされていないようです。

法人税や消費税等は、ダイレクト納付やクレジットカードによる納付、法人事業税や法人住民税は、金融機関の窓口で納付となると、手間が増えるだけでメリットは少ないかと思います。

また、どちらかの納付を失念されることも懸念されます。

地方税の納税までを考慮して、自社にあった納税方法を選択されることをお勧め致します。

 

金融機関の窓口で通常、納付をされている方で、納付期日に納付書を紛失されるようなことがあった場合、ペイジー納付という選択肢もありますので、参考として頂ければ幸いです。

 

一般的な納付方法

 

クレジットカード以外の一般的な納付方法は、以下の通りです。

・現金に納付書を添えて納付する方法

・指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する方法(申告所得税及び復興所得税と個人事業者の消費税及び地方消費税のみ)

・ダイレクト納付により電子納税する方法

・インターネットバンキングやATMを利用してペイジー納付する方法

 

個人の方は、振替納税を選択されている方が多いかと思います。法人は、金融機関での現金納付が多いかと思いますが、最近は、ダイレクト納付やペイジー納付をされる方も増えてきたかと思います。

 

【ダイレクト納付とペイジー納付とは「電子納税」】

「ダイレクト納付」
・事前に税務署へ、「ダイレクト納付利用届出書」の提出が必要です。
※利用届出書を提出してから、利用できるまで1ヶ月程度かかります。

・e-Taxを利用して電子申告等または納付情報を登録した後に「e-TAX内のメッセージボックス」に格納される「ダイレクト納付のボタン」で届出をした預金口座からの振替により、即時または指定した期日に納付することができます。

・電子申告した、法人税や所得税、消費税以外に源泉所得税も対応しています。

・手数料はかかりません。

 

「ペイジー納付」
・登録方式と入力方式がありますが、ここでは、登録方式のみ触れます。

・ダイレクト納付と違い、事前の手続きは不要です。

・全ての税目に対応。

・e-Taxソフト等を利用して税目、課税期間、申告区分、納税金額等の納付情報データ(納付情報登録依頼)を作成し、e-Taxに送信して事前に登録します。その後、e-Taxにログインし、メッセージボックスに格納される受信通知により「納付区分番号」等を取得して、インターネットバンキングやATM等から納付します。

・ペイジー=インターネットバンキングではありません。インターネットバンキングでも、住信SBIネット銀行など、一部ペイジー対応していません。

・納税のための手数料はかかりませんが、インターネットバンキングやATMの利用にあたり手数料が必要となる場合もあります。

・電子納税は、メッセージボックスの手続がわかれば、簡単に納税できる方法です。毎月、源泉所得税の納税をされている方にはお勧めです。

・24時間利用可能ではなく、e-Taxの利用可能時間内で、かつ、インターネットバンキングやATM等が稼働している間となります。

 

クレジットカード納付手続きとは

 

クレジットカード納付とは、インターネット上でのクレジットカードの支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ、国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続です。

 

今まで銀行窓口での納付で、限られた時間での納付を考えると、自宅や事務所からインターネットを通じて納付できます。

しかし、納付額に応じた決済手数料(最初の1万円まで82円(税込)、以後1万円を超える毎に82円(税込)が加算される)がかかります。

カード会社との利用規約によりますが、クレジットカードのポイントが約1%とすると、決済手数料分はポイントでまかなえるかも知れませんが、以下、簡単にクレジットカード納付のメリット、デメリット、注意ポイントを挙げてみます。

 

【メリット】
・24時間利用可能
・国税庁のホームページの「国税クレジットカードお支払サイト」から簡単に納付手続きができる
(登録事項は、通常の納付書に記載されている内容とクレジットカード情報、メールアドレスとなります)
・分割払い、リボ払いも可能

 

【デメリット】
・誤って納付手続きをされた場合には、税務署への還付手続きが必要。なお、決済手数料は還付されない
・複数の税目をまとめて納付手続きはできず、税目毎に納付手続きが必要
・納付をしてから納付済の納税証明書の発行が可能となるまで3週間程度かかる場合がある

 

【注意ポイント】
・納付できる金額は、1~990万円 ※ご利用のクレジットカードの決済可能額以下の金額(決済手数料含む)
・納付の取消は不可
・利用可能なクレジットカードはVisa、Mastercard、JCB、AmericanExpress、Diners Club、TS CUBIC CARD
・納付手続きを行った日が納付日(クレジットカード利用代金の引き落とし日ではありません)
・国税の大半が利用可能、本税だけでなく、付帯税(加算税、延滞税)の納付も可能だが、「源泉所得税及び復興特別所得税(告知分以外)」はまだ利用できません(平成29年6月からの開始予定)
※告知分とは、税務署長が行う納税の告知です。通常の源泉所得税の納付は自主納付分で告知分以外となります。

 

決済手数料が1万円あたり82円(税込)で0.82%と考えるとクレジットカードのポイントがそれ以上であれば、得なような気がしますが、決済手数料は1万円あたりですので、50,000円の納税の決済手数料は、410円(0.82%)ですが、40,100円の納税の決済手数料も410円で、1.02%です。
10,100円であれば、164円ですので、1.62%となります。

 

また、分割払いやリボ払いも魅力的のようですが、通常、別途カード会社が定める手数料が発生しますので、延滞税より手数料が多くなるケースが一般的かと思います。ですので、分割払いによるメリットはないかも知れません。

 

中間申告について

・任意の中間申告制度の創設

直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含む金額)が60万円以下で 本来中間申告義務のない事業者が「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」 を税務署長に提出した場合には、提出した直後から、自主的に中間申告・納付 をすることができることとされました。

以前は消費税の年税額が60万円以下であれば自動的に翌期の中間申告は無 し、という判定でしたが、この「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」を 提出することにより仮決算を行い申告・納税ができることとなったのです。

この適用を受けることとなった場合には3月決算法人の場合、9月末から2 月以内に中間申告書を提出し納税することとなります。

また、この適用を受けることをやめようとするときは「任意の中間申告書を 提出することの取りやめ届出書」を提出することとなります。

さらに、この改正の変わったところはこの「任意の中間申告書を提出する旨 の届出書」を提出している事業者が中間申告をその期限までに申告・納税しな かった場合には「任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書」の提出 があったものとみなされる、という点です。申告しなくても何も罰則がありま せん。

中間申告をするための届出書を出したものの、やっぱりやめた。なんてこと が可能なわけです。そもそも直前期の年税額が60万円以下ならば申告・納付 義務が無いわけですからあえて納めたいという方は珍しいかもしれませんが。

いつも申告・納税時期には消費税の納税資金の捻出に苦労されている事業者 にとってはあらかじめ納めておくことができるため有効に活用することも考え られますね。もちろん、確定申告の時に中間申告で多く納めすぎた税金は還付 加算金がついて還付されます

この消費税率の改正ではほとんどの事業者で納税額が増えることが予想され るため今後は中間申告・納税をされる方が増えるかもしれません。

なお、この改正で税率は8%に上がりますが、中間申告義務の判定となる前 年の年税額の金額については改正がありませんでしたので下記の通り、今一度 おさらいしておきましょう。なお、消費税額は地方消費税額を含みます

直前の課税期間の消費税年税額    中間申告回数

   6,000万円超         年11回

     500万円超          年3回

      60万円超          年1回 

      60万円以下      任意の中間申告が可能(年1回)

 適用開始時期

  個人事業者…平成27年分から
  事業年度が1年の法人…平成26年4月1日以後開始する課税期間

消費者、事業者にとっても大きな改正となります。今まで見慣れた105円が 108円と表示されるようになり慣れるのに少し時間がかかりそうですね。 慣れた頃には108円が110円と改正されるのでしょうか。 今後の改正にも注目です。

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