税務お役立ち情報

中間申告について

・任意の中間申告制度の創設

直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含む金額)が60万円以下で 本来中間申告義務のない事業者が「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」 を税務署長に提出した場合には、提出した直後から、自主的に中間申告・納付 をすることができることとされました。

以前は消費税の年税額が60万円以下であれば自動的に翌期の中間申告は無 し、という判定でしたが、この「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」を 提出することにより仮決算を行い申告・納税ができることとなったのです。

この適用を受けることとなった場合には3月決算法人の場合、9月末から2 月以内に中間申告書を提出し納税することとなります。

また、この適用を受けることをやめようとするときは「任意の中間申告書を 提出することの取りやめ届出書」を提出することとなります。

さらに、この改正の変わったところはこの「任意の中間申告書を提出する旨 の届出書」を提出している事業者が中間申告をその期限までに申告・納税しな かった場合には「任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書」の提出 があったものとみなされる、という点です。申告しなくても何も罰則がありま せん。

中間申告をするための届出書を出したものの、やっぱりやめた。なんてこと が可能なわけです。そもそも直前期の年税額が60万円以下ならば申告・納付 義務が無いわけですからあえて納めたいという方は珍しいかもしれませんが。

いつも申告・納税時期には消費税の納税資金の捻出に苦労されている事業者 にとってはあらかじめ納めておくことができるため有効に活用することも考え られますね。もちろん、確定申告の時に中間申告で多く納めすぎた税金は還付 加算金がついて還付されます

この消費税率の改正ではほとんどの事業者で納税額が増えることが予想され るため今後は中間申告・納税をされる方が増えるかもしれません。

なお、この改正で税率は8%に上がりますが、中間申告義務の判定となる前 年の年税額の金額については改正がありませんでしたので下記の通り、今一度 おさらいしておきましょう。なお、消費税額は地方消費税額を含みます

直前の課税期間の消費税年税額    中間申告回数

   6,000万円超         年11回

     500万円超          年3回

      60万円超          年1回 

      60万円以下      任意の中間申告が可能(年1回)

 適用開始時期

  個人事業者…平成27年分から
  事業年度が1年の法人…平成26年4月1日以後開始する課税期間

消費者、事業者にとっても大きな改正となります。今まで見慣れた105円が 108円と表示されるようになり慣れるのに少し時間がかかりそうですね。 慣れた頃には108円が110円と改正されるのでしょうか。 今後の改正にも注目です。


・2015年6月22日 公開


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