税務お役立ち情報

クラウドファンディングの概要

そもそも「クラウドファンディング」とは何かと言いますと、インターネットを通して不特定多数を相手に行う資金調達の手法の一つを指します。

 

銀行借入等の一般的な資金調達方法と比べると以下の2点が大きく異なります。

 

・不特定多数を相手にアピールを行うことができる

・個々の出資額は少額でも多数の人々から出資を募ることができるため、ある程度まとまった資金を集めることが可能

 

また、クラウドファンディングは大きく分けると「購入型」「寄付型」「投資型」「融資型」の4つに分類されます。

 

「購入型」
出資額に応じて資金調達者から資金提供者へのなんらかのお礼(リターン)が行われます。
この場合、将来的に商品の引渡し又は役務の提供を受けるための対価として資金提供を行います。
その後プロジェクトが達成された時に、商品の引渡し又は役務の提供を受けることになります。

 

「寄付型」
購入型のようなお礼が無い形態で、資金提供者に対して何のリターンも発生しません。

 

「投資型」
出資者がプロジェクトの利益から配当という形で、リターンを受け取ります。

 

「融資型」
資金提供者が資金を貸付け、利子という形でリターンを受け取ります。

以下では、それぞれのタイプ別に取扱いを見ていきます。

 

「購入型」の取扱い

購入型の場合は以下の2通りで考えることができるかと思います。

資金を受け取った会計期間の収益として扱う場合

法人税法・基本通達2-1-39
「法人が商品の引渡し又は役務の提供(以下「商品の引渡し等」という)を約した証券等(以下「商品引換券等」という)を発行するとともにその対価を受領した場合における当該対価の額は、その商品引換券等を発行した日の属する事業年度の事業年度の益金の額に算入する。」

を基に考えることができるかと思います。

 

今回の例でいうとクラウドファンディングで集めた資金を受け取った(この時点で商品の引渡し等が義務付けられる)ことと、商品引換券等を発行したことが同様だと考えられる為、全額が売上高として資金提供を受けた会計期間の収益として扱うことができるかと思います。

 

商品又は役務の提供が行われた会計期間の収益として扱う場合

資金調達者が資金を受け取った時点で、資金提供者への商品又は役務を提供する義務が発生します。

ここで提供を受けた資金はあくまでも「代金の先払い」と考えられるかと思います。
この場合は、商品又は役務の提供が実際に行われた会計期間の収益として扱うことができるかと思います。

ただし、提供を受けた資金額がリターンの内容に比べて高額な場合は、寄付型としての扱いになる可能性があるので注意が必要です。
(お礼のお手紙や、資金提供者の氏名をHP等に記載するなどではリターンの対価として認められないことがあるようです。)

 

「寄付型」「投資型」「融資型」の取扱い

「寄付型」の場合

上述の通り、寄附型の場合は資金提供者へのリターンは通常行われない為、資金提供を受けた会計期間の収益として扱うことになるかと思われます。

 

「投資型」の場合

投資型は「金銭によるリターンを伴う」ため、金融商品取引法による規制の対象となっています。実際に行うには金融商品取引業の登録が必要となっており、日本国内ではあまり普及していませんのでここでは割愛させていただきます。

 

「融資型」の場合

融資型の場合、一般的な借入と同様の扱いとなります。実は世界的にはこの「融資型」が主流となっていますが、投資型と同様に金融商品取引業の登録が必要となっており、日本国内ではあまり普及していませんのでここでは割愛させていただきます。

 

それぞれの取扱いについては、具体的な指針等がまだはっきりと示されていない為、類似するものを当てはめつつ推測した内容となっております。
実際の状況を勘案して判断することになりますので、最寄りの税務署や税理士までご相談下さい。

 


・2017年10月16日 公開


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