税務お役立ち情報

特定役務の提供

特定役務の提供とは?

特定役務の提供とは、消費税法2条1項8の5に、「資産の譲渡等のうち、国外事業者が行う演劇その他の政令で定める役務の提供(電気通信利用役務の提供に該当するものを除く。)をいう。」と規定されています。

 

では、「その他政令で定める役務の提供」とはどういうものかといいますと、これについては消費税法施行令2条の2に、「映画若しくは演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供を主たる内容とする事業として行う役務の提供のうち、国外事業者が他の事業者に対して行う役務の提供(当該国外事業者が不特定かつ多数の者に対して行う役務の提供を除く。)とする。」と規定されています。

 

ざっくりと言ってしまえば、外国人アーティスト等が日本国内で一定の活動した場合と考えていただければ判り易いでしょう。

 

「特定役務の提供」に該当した場合はどうなるの?

「特定役務の提供」に該当した場合は、国外事業者から国内において当該役務の提供を受けた事業者が「特定課税仕入れ」として、「リバースチャージ方式」により申告・納税を行うこととされています。

 

ただし、経過措置により、当分の間は、当該課税期間について一般課税で申告する場合で、課税売上割合が 95%未満である事業者にのみ適用されることとなります。

 

参考

リバースチャージ方式とは、「国外事業者から事業者向け電気通信利用役務の提供(これを特定課税仕入れという)を受けた場合、サービスの受け手である国内事業者に消費税を課す」方式です。
まぁ、いわゆる後手に回っていたAMAZON等への対策ですね。

 

特定役務の提供の事例問題

それでは、前項の内容を踏まえて簡単な事例問題を出します。
恐らくは、「答えを知っている」という方を除いては、殆どの方が間違えることと予測していますので気軽にやってみてください。

 

<前提>
・海外モデルのAさんは、この度初めて来日し次のスケジュールで仕事等を終え帰国しました。
4月1日 来日
4月2日 ファッションショー出演
4月3日 テレビ放送ゲスト出演
4月4日 CM撮影
4月5日 観光(京都・奈良)
4月6日 ファッション誌撮影
4月7日 映画撮影
4月8日 帰国

 

・上記の仕事に対するAさんの報酬は次の通りです。
1.ファッションショー出演(ギャラ300万円)
2.テレビ放送ゲスト出演(ギャラ50万円)
3.CM撮影(ギャラ3,000万円)
4.ファッション誌撮影(ギャラ200万円)
5.映画撮影(ギャラ150万円)
※ギャラは全て日本の企業が支払っています。

 

<問題>
さて、上記の1~5のAさんが行った各役務の提供は「特定役務の提供」に該当するでしょうか?

 

解答

『特定役務の提供』に該当するもの
2.テレビ放送収録
3.CM撮影
5.映画撮影

 

『特定役務の提供』に該当しないもの
1.ファッションショー出演
4.ファッション誌撮影

 

根拠については以下の通りです。

 

国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税に関するQ&A

(平成27年5月(平成28年12月改訂)・国税庁消費税室)
(「特定役務の提供」の範囲3)【平成28年12月追加】
「問43-3 非居住者であるモデルが行う役務の提供は「特定役務の提供」に該当しますか。」

 

【答】
「特定役務の提供」は、国外事業者が芸能人として行う映画の撮影・テレビの出演等が該当します。
したがって、ファッションショーや雑誌等で服を披露するなど、非居住者からモデルとしての役務の提供を受けた場合、このような役務の
提供は、芸能人として行う役務の提供には該当しませんので、「特定役務の提供」には該当しないこととなります。

一方で、その役務の提供が、テレビやコマーシャルへの出演など、モデルとしての役務の提供ではなく芸能人としての役務の提供である
場合には、モデルの肩書を有する非居住者が提供するものであっても、「特定役務の提供」に該当します。

 

・・・ということらしいです。

 

つまり、「モデル」と「芸能人」の取扱いが違うということを言っている訳ですね(良く判りませんが・・・)。

 


・2018年3月23日 公開


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