税務お役立ち情報

自家消費とは

 

所得税法には<居住者が棚卸資産を家事のために消費した場合等には、その消費した時等におけるその資産の価額に相当する金額は、その消費した日等の属する年分の事業所得等の金額の計算上、総収入金額に算入する>という旨の規定があります(所得税法第39条参照)。

 

また、消費税法には<個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費し、又は使用した場合におけるその消費又は使用>を<事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなす>という旨の規定があります(消費税法第4条第5項第1号参照)。

 

最も解り易い例が飲食店における食材の消費です。

食材が余ったりすれば、その食材を調理して自らの朝食・昼食・夕食の用に供することは往々にしてあるはずです。

この行為が<棚卸資産を家事のために消費>したことになりますので、これは売上(課税売上)として計上しなければならないこととなります。

そのため、飲食店に税務調査が入った場合、このような売上が計上されていないと必ず指摘を受けることになります。

よって、一定の基準等で算出した金額を収入に計上していきましょう。

 

ちなみに「収入に計上するのではなく、仕入から控除するべきなのでは?」という意見がありそうですが、自家消費した場合には収入として計上するように法や通達に記されている(所得税法第39条、所基通39-2、消基通10-1-18参照)反面、仕入から控除しても良いとする規定がありません。

また、収入に計上しないとなると、消費税の納税義務判定や簡易課税制度における税額計算に影響を及ぼします。そのため、自家消費は収入として計上することが妥当と思われます。この自家消費については、その収入に計上する金額の取り扱いが、所得税と消費税とで異なります。

また、法人については「法人がその役員に対して行う資産の贈与又は著しく低い価額による譲渡」の問題がございます。

次回ではその収入に計上する金額の取り扱いと問題点を説明させて頂きます。

 


・2017年6月29日 公開


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